お金を借りる方法を検索していると、「カードローン」や「キャッシング」といった単語をよく目にしますよね。
それぞれの意味は何となく分かっても、2つの違いをきちんと説明できる人は少ないでしょう。
今回は、知っているようで知らない、カードローンとキャッシングの違いについて解説します。
目次
キャッシングとカードローンの基礎知識
そもそもキャッシングとカードローンは、どんなサービスなのでしょうか?
「キャッシング」とは?
キャッシングとは、「数日~数か月の短期間、小さな金額を保証人不要で借りること」を指します。
とは言え最近は、「キャッシング」を単純に「お金を借りる」という意味で使うことも多いです。
キャッシングも、貸主によって3種類に分けられます。
・銀行系キャッシング
・消費者金融系キャッシング
・クレジットカード系キャッシング
銀行系・消費者金融系は、先ほど説明したカードローンを利用した借り入れです。
そして最も一般的なのが、クレジットカードでのキャッシングです。
いつも利用しているクレジットカードを使って、ATMや銀行振込みで借り入れできます。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンとクレジットカードとの違いは?
「カードローン」とは?
カードローンは、金融機関から無担保で融資を受けるためのローン商品です。
原則、ローンカードが発行され、銀行振込みATMを使って借り入れできます。
カードローンは、貸主の業態によって、以下の2種類に分けられます。
・消費者金融カードローン
・銀行カードローン
消費者金融カードローンは、消費者金融が提供するローン商品の一つです。
審査スピードがとても早く、申し込み当日の借り入れもできます。
銀行カードローンは、銀行が貸主となるカードローンです。
即日融資には対応していませんが、消費者金融よりも低金利で利用できます。
<関連記事>:カードローンとは?元銀行員がわかりやすく解説!
クレジットカードのキャッシング枠とは?
クレジットカードで使える限度額は、「ショッピング枠」と「キャッシング枠」の2つから成ります。
ショッピング枠は、買い物の商品代金をカード会社に立て替えてもらう、クレジットカードの基本サービスです。
クレジットカードの限度額と同じ金額が、ショッピング枠として利用できます。
一方キャッシング枠は、カード会社からの借り入れ枠のことです。
ショッピング枠に含まれる形で、キャッシング枠の上限金額が設定されます。
そのため限度額のギリギリまでショッピングで利用すると、設定された上限金額に関わらず、キャッシングで使える金額は小さくなります
キャッシングとカードローン、5つの違い
キャッシングとカードローン、どちらもお金を借りる手段であることは共通してます。
では、どんな違いがあるのでしょうか?
1.返済のタイミング
1つ目の違いは、返済のタイミングです。
カードローンは、分割して少しずつ返済する方法を採用しています。
毎月決まった金額を少しずつ返すので、返済計画を立てやすいでしょう。
それ対してキャッシングは、翌月の一括払いが基本なので、一度にかかる負担が重くなりがちです。
<関連記事>:知っておきたいカードローンの返済方式について
2.返済方法を選べるか
カードローンの場合、会社によって条件は異なりますが、引落し以外に振込みやATMが選べます。
「忘れるのが不安なので引落し」、「通帳に記録を残したくないからATM」というように、自分に合った返済方法を選択する事が可能です。
一方キャッシングの場合、通常の返済は口座引落しです。
ただし繰り上げ返済は、振込みやATMでも可能となっています。
3.金利
カードローンは、銀行で3~15%、消費者金融で5~18%と、金利の幅が広くなっています。
ですがキャッシングの金利は、15~18%でほぼ固定です。
借入先や審査状況によっては、カードローンの方が低い金利で借りられる場合があります。
4.借入限度額
カードローンの場合、10~800万円(多いところは1000万円)の幅で限度額を設定されます。
キャッシングは、5~100万円(または200万円)の枠があり、50万円以内で設定されるケースが多いです。
まとまった金額を借りたいなら、カードローンの方が便利でしょう。
<関連記事>:カードローンの借入限度額、いくらまで借りられる?
5.海外で利用できるか
クレジットカードの強みの一つが、「海外キャッシングサービス」です。
海外旅行中に急にお金が足りなくなった時など、海外キャッシングを利用すれば、駅や空港のATMから現地の通貨で借り入れできます。
一方カードローンは、海外では利用できません。
どっちで借りる?キャッシングVSカードローン
キャッシングとカードローンとには、それぞれ異なる特徴があります。
では結局のところ、どちらを選ぶのが正解なのでしょうか。
少額が今すぐ必要なら「キャッシング」
既にキャッシング機能付きのクレジットカードを持っていれば、審査なしで、すぐに借り入れが可能です。
ATMの操作をするだけなので、ものの数分で借り入れできます。
ただし、お使いのクレジットカードにキャッシング機能がない場合、新たに審査を受ける必要があり、借り入れまでに時間がかかります。
新しくクレジットカードを発行するには、1~4週間ほど待つことになります。
またクレジットカードの限度額は、大きくても100万円(200万円)です。
大きな金額は借りられませんが、買い物とは別に少額の現金が必要な場合は、便利なサービスです。
まとまったお金が必要なら「カードローン」
カードローンなら、限度額が最大800万円程度と、大口の借り入れにも対応しています。
まとまった金額が必要な場合は、カードローンを利用すると良いでしょう。
特に銀行カードローンを選べば、金利を低めに抑えられます。
利息の負担が小さくなり、総支払額も少なく済みます。
また消費者金融なら即日融資が可能なので、急ぎの借り入れにも対応できます。
キャッシングとカードローンの違い、まとめてみた!
最後に、キャッシングとカードローンの違いを、下の表にまとめました。
キャッシング | カードローン | |
---|---|---|
返済のタイミング | 翌月一括払い | 分割払い |
返済方法 | 口座引落し | 口座引落し 振込み ATM |
金利 | 15.0%~18.0% | 銀行:3.0%~15.0% 消費者金融:5.0%~18.0% |
借入限度額 | 5~100万円程度 | 10~800万円程度 |
海外利用 | 〇 | × |
先ほども書いた通り、それぞれに特徴があり、得意・不得意な点は異なります。
ですが最近は、クレジットカードのキャッシングでも分割払いが出来るなど、2つの意味は似てきています。
カードローンでの借り入れを、「キャッシング」と呼ぶ人もいます。
カードローンとキャッシングの違いを上の表で説明していますが、あまり違いにこだわらない方が良いかもしれません。
したがって、それぞれの用語は、下図のようにイメージすると良いでしょう。
以上、キャッシングとカードローンの違いを解説しました。
どちらで借りるべきかは、その人の状況によって変わるので、一概には言えません。
メリット・デメリットを見極めて、自分にピッタリの借り方を見つけてください。
元銀行員がおすすめの銀行カードローンを紹介します!
- キャッシングとは、小さな金額を短期間、保証人不要で借りること
- カードローンは、金融機関から無担保で融資を受けるためのローン商品
- カードローンの返済は分割払いなのに対し、キャッシングは翌月一括払い
- 借入先や審査の状況によって、カードローンの方が金利が低くなるケースがある
- 最近では「キャッシング」も「カードローン」も、同じような意味で使われている

この記事の執筆者: あいこ
元銀行員のアラサー女子。初心者のために、今日も分かりやすく解説します!プロフィールはコチラ