最近では、カードローンはすっかり身近になりましたよね。
銀行でも主力商品の一つとして力を入れていて、銀行カードローンの人気が高まっています。
でも銀行カードローンとは、どんな特徴を持ったサービスなのでしょうか?
メリットばかりが強調されていますが、リスクはないのでしょうか?
今回は、「銀行カードローンとは何か?」「どんなメリット・デメリットがあるのか?」を解説します。
目次
銀行カードローンとは?消費者金融と何が違うの?
まず初めに、銀行カードローンの特徴と、消費者金融との違いについて見ていきましょう。
そもそも銀行カードローンって何?
銀行カードローンとは、銀行が貸主となるカードローンのことです。
審査に通れば、無担保でお金を借りられます。
銀行では、カードローン以外にも住宅ローンなどの融資商品を取り扱っています。
住宅ローンなどの一般的なローンの場合、1つの契約で、決まった金額を1度だけ借り入れできます。
追加でお金が必要になったら、あらためて審査を受ける事になります。
それに対してカードローンなら、借入枠を設定する契約なので、1つの契約で何度でも借り入れ可能です。
枠内であれば、追加の借り入れの度に審査を受ける必要はありません。
<関連記事>:カードローンとは?元銀行員がわかりやすく解説!
消費者金融との違いは?
キャッシングの方法として、消費者金融のカードローンもあります。
銀行カードローンと消費者金融カードローンには、どんな違いがあるのでしょうか?
基本のサービスには、大きな違いはありません。
貸主の業態によって、銀行系と消費者金融系とに区別されます。
銀行カードローンと消費者金融カードローンでは、得意とする点が異なります。
消費者金融の最大の特徴は、融資までのスピードの早さです。
最短30分で審査結果が出て、最短1時間で借り入れも可能です。
しかし審査に時間をかけない分、金利は高くなっています。
一方、銀行カードローンは、消費者金融に比べて審査にやや時間がかかります。
とは言え、最短で翌営業日に審査結果が出るので、他のローンと比べれば十分早いスピードです。
また審査を慎重に行うので、金利は消費者金融よりも低くなっています。
金利で比べると、銀行カードローンの方が有利と言えるでしょう。
銀行カードローン | 消費者金融 | |
---|---|---|
審査スピード | 遅い | 早い |
金利 | 低い | 高い |
<関連記事>:【元銀行員が解説】キャッシングとは?カードローンとの違いは?
銀行カードローンが選ばれる理由
銀行カードローンを利用する人は、どんな点に魅力を感じて、銀行カードローンを選んだのでしょうか?
下の図は、銀行カードローン利用者を対象に、銀行カードローンを選んだ理由を調査した結果です。
<出典>:銀行カードローンに関する消費者意識調査に関する報告-全国銀行協会より作成
グラフを見ると、銀行の安心感から選んだ人が全体の23%を占めています。
これは他の項目と比べて、非常に大きな割合となっています。
この結果から分かる通り、銀行は世間からの信頼度が高く、ブランドイメージが良い傾向にあります。
銀行カードローンの5つのメリット
ここでは、銀行カードローンの5つのメリットを解説します。
1.金利が低い
先ほど述べた通り、銀行カードローンは、消費者金融と比べて金利が低めになっています。
下の表は、大手の銀行カードローンと消費者金融の金利をまとめたものです。
<銀行カードローン>
カードローン | 金利 |
---|---|
三井住友銀行カードローン | 年4.0%~14.5% |
バンクイック | 年1.8%~14.6% |
みずほ銀行カードローン | 年2.0%~14.0% |
<消費者金融>
カードローン | 金利 |
---|---|
プロミス | 年4.5%~17.8% |
SMBCモビット | 年3.0%~18.0% |
アコム | 年3.0%~18.0% |
どのカードローンを選んでも、初めての利用では、上限に近い金利が適用されます。
そのため金利の比較で注目すべきは、各社の上限金利です。
消費者金融の金利が上限18%であるのに対し、銀行カードローンの上限金利は15%以下になっています。
金利が低くなると、利息の総支払額は小さくなります。
少しでも負担を抑えたい人は、低金利の銀行カードローンを選ぶと良いでしょう。
2.総量規制の対象外
総量規制とは、貸金業法に定められた、借り入れを年収の1/3までに制限する規制です。
消費者金融は貸金業法の適用を受けるので、総量規制の対象となります。
一方で銀行は、銀行法の適用対象であり、貸金業法の適用はありません。
したがって銀行カードローンは、総量規制の対象外であり、年収の1/3以上の借り入れも可能です。
ですが最近では、総量規制を意識して貸出を抑える銀行が増えています。
銀行カードローンでも、年収の1/3を超える借り入れは難しくなっているのが現状です。
また総量規制では、借り手の年収を確認するために、収入証明書の提出を義務付けています。
消費者金融では、一定の条件を満たす場合、収入証明書の提出が必要です。
一方、銀行カードローンでも、50万円を超える借り入れで、収入証明書の提出を求められるケースが増えています。
三大メガバンクのカードローンは、どこも提出が必要なので注意しましょう。
3.専業主婦が申し込める銀行カードローンもある
消費者金融の場合、収入ゼロの専業主婦は申し込み不可となっています。
総量規制によって、借り入れが年収の1/3までに制限されているためです。
一方で銀行カードローンでは、専業主婦でも申し込みが可能な銀行もあります。
この場合、配偶者(夫)に安定した収入がある事が条件となっています。
ただし専業主婦の借入枠は、最大30万円までです。
現在、専業主婦が審査に通るのは、かなり難しいと言えます。
4.借入限度額が大きい
借入限度額が大きいのも、銀行カードローンのメリットの一つです。
銀行カードローンの借入限度額の上限は、500万円~800万円ほど(多いところで1000万円)となっています。
消費者金融でも、800万円を上限とするのが一般的です。
またクレジットカードでキャッシングする場合、限度額の上限は100万円~200万円になります。
消費者金融やクレジットカードと比べても、銀行カードローンの限度額は十分大きいと言えます。
ただし初めての利用では、審査の過程で限度額50万円以内で落ち着くケースがほとんどです。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンとクレジットカードとの違いは?
5.周囲に借り入れがバレにくい
家族にカードローン利用がバレる1番の原因は、郵便物です。
カードや契約書類の郵送がある場合、あて先は自宅になります。
そのため郵便物を家族に勝手に見られて、カードローン利用がバレるリスクが高くなります。
このとき銀行カードローンなら、差出人は銀行名になります。
自宅に銀行から郵便が届いても不審がられることはなく、家族にバレるリスクも低いでしょう。
また審査担当者から勤務先に電話が来る「在籍確認」も、同僚にカードローン利用がバレるリスクが高まるタイミングです。
銀行カードローンの場合、審査担当者は銀行名を名乗ります。
銀行からの電話なら、同僚に怪しまれる心配もありません。
銀行カードローンのデメリット・リスクは?
次に、銀行カードローンのデメリットを見ていきましょう。
1.即日融資に対応していない
現在、銀行カードローンは即日融資に対応していません。
銀行の場合、審査の一環として、反社チェック(=申込者が反社会的勢力でないことの確認)を行います。
この反社チェックに時間がかかるため、銀行カードローンの審査の回答は、最短でも翌営日です。
即日融資を希望する場合、消費者金融を選ぶ必要があります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】即日融資が可能!おすすめカードローン
2.審査がやや厳しめ
上でも書いた通り、銀行カードローンの金利は、消費者金融に比べて低くなっています。
ですが金利が低い分、審査はやや厳しめです。
「銀行カードローンの審査に落ちたけれど、消費者金融では通った」という話もよく聞きます。
3.銀行口座が必要な場合もある
多くの銀行カードローンでは、利用にあたって、その銀行の口座を持っている必要があります。
口座がない場合、カードローンのと同時に、口座開設を申し込むことになります。
ですが口座開設のために1~2週間待つ必要があるので、急ぎの借り入れには向きません。
例外として、「三井住友銀行カードローン」と「三菱UFJ銀行バンクイック」は、口座なしで利用可能です。
4.借り過ぎのリスクがある
銀行カードローンは、使い道が自由なローンで、借入枠内なら何度でも借り入れが可能です。
気軽に借り入れできるので、非常に便利なサービスと言えます。
ですが便利な反面、借り過ぎのリスクに注意しなければなりません。
銀行カードローンの残高が増えると、住宅ローンなどその他のローンの審査にも不利になります。
現在、全国銀行協会でも、銀行カードローンの借り過ぎを防止するための広報活動を行っています。
<参考サイト>:カードローン 借りすぎに注意!!-全国銀行協会
銀行カードローンのメリット・デメリット一覧
ここまで、銀行カードローンのメリット・デメリットを見てきました。
下の表では、主なメリット・デメリットを一覧にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
メリット | デメリット |
---|---|
・安心感がある、ブランドイメージが良い | ・審査に時間がかかる |
・金利が低い(上限 年15%) | ・即日融資に対応していない |
・総量規制の対象外 | ・審査がやや厳しい |
・一部の銀行では専業主婦でも申込可 | ・銀行口座が必要な場合がある |
・借入限度額が大きい | ・借り過ぎのリスクがある |
以上、銀行カードローンのメリット・デメリットを解説しました。
低い金利で借り入れできる銀行カードローンは、とても便利なサービスです。
ですが油断して借り過ぎてしまうと、将来の自分を苦しめる原因にもなります。
カードローンを利用する際は、身の丈に合った借り入れをしましょう。
元銀行員がおすすめの銀行カードローンを紹介します!
- カードローンは、銀行や消費者金融などから無担保でお金を借りる融資商品
- クレジットカードは、カード会社にお金を立て替えてもらう、後払いサービス
- 借入状況によっては、カードローンの方が金利が低くなる
- クレジットカードは海外で利用でき、付帯サービスも充実している
- すぐにお金を借りたい場合は、カードローンを選ぶ

この記事の執筆者: あいこ
元銀行員のアラサー女子。初心者のために、今日も分かりやすく解説します!プロフィールはコチラ