カードローンって、実際のところ、いくらまで借りられるのでしょうか?
最大800万円とか1000万円なんて広告を見かけますが、誰でも借りられるのでしょうか?
今回は、カードローンの借り入れ限度額について詳しく解説します。
目次
カードローンの限度額は、どうやって決まる?
カードローンの借り入れ限度額は、大まかに言って以下の3つの要素で決まります。
・カードローン会社の設定する(最大)借入限度額
・消費者金融の場合、年収の1/3まで
・カードローン審査
一つずつ見ていきましょう。
最大の借り入れ限度額は決まっている
カードローン会社は、融資可能額に上限を設けています。
以下は、大手消費者金融の借入限度額です。
消費者金融 | (最大)借入限度額 |
---|---|
プロミス | 500万円 |
SMBCモビット | 800万円 |
アコム | 800万円 |
アイフル | 800万円 |
表から分かる通り、消費者金融の借入れ限度額は、500万円から800万円を上限にしています。
以下は、大手銀行カードローンの(最大)借り入れ限度額です
銀行カードローン | (最大)借入限度額 |
---|---|
バンクイック(三菱UFJ銀行) | 500万円 |
三井住友銀行カードローン | 800万円 |
みずほ銀行カードローン | 800万円 |
auじぶん銀行カードローン | 800万円 |
横浜銀行カードローン | 1000万円 |
オリックス銀行カードローン | 最高800万円 |
りそなカードローン(りそな銀行) | 800万円 |
千葉銀行カードローン | 500万円 |
楽天銀行スーパーローン | 800万円 |
表を見ての通り、銀行カードローンは800万円から1000万円を借り入れ上限にしている場合が多いです。
借り入れ上限額だけ見れば、消費者金融より銀行カードローンの方が上ですね。
以上の通り、申し込み者が誰であっても、カードローンの借り入れには上限があります。
消費者金融カードローンは年収で借入額を制限される
消費者金融での借り入れは、年収による借り入れ制限があります。
貸金業法には「総量規制」と呼ばれる決まりがあり、消費者金融での借り入れは年収の1/3までとされています。
この決まりは多重債務を防ぐ目的で、2010年6月に導入(施行)されました。
<外部の関連サイト>:【元銀行員が解説】総量規制とは?その例外とは?
この借入制限で誤解されやすいポイントは、あくまで消費者金融(やクレジットカード)を対象とした仕組みという点です。
たとえば年収450万円のサラリーマンがいるとします。
彼が消費者金融3社から50万円ずつ、合計150万円を借りているとします。
150/450 = 1/3なので、彼は消費者金融でこれ以上の借り入れはできません。
ですが、銀行カードローンは総量規制の対象外です。
そのため審査に通りさえすれば、銀行カードローンから借入れすることは可能です。
<関連記事>:【元銀行員が解説】総量規制対象外カードローンのオススメは?
契約額(極度額)はカードローン審査で決まる
先に見た通り、カードローン各社は借り入れの上限を500万円から1000万円に設定しています。
ですが、実際にこの上限金額で借りられる人は少数です。
消費者金融の場合は、年収の1/3までしか借り入れできないのは、上で説明した通りです。
さらにカードローンの契約額(極度枠)は、審査によって決まります。
カードローンの審査項目は50以上あると言われていますが、中でも代表的なのが以下です。
・年収
・年齢
・職業
・勤続年数
・他社からの借り入れ状況
こうした項目から申し込み者の信用力を数値化し、「いくらまでなら貸出可能か?」をカードローン各社は判断しています。
まとめると、カードローン各社で最大の借り入れ上限額があり、消費者金融には年収の1/3までという制限があり、カードローン会社はその範囲内で、審査を通じて借り入れ限度額を決めます。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンの審査の流れと審査基準
(コラム)職業でも限度額は変わる?
年収さえ良ければ、いくらでも借りられるんでしょ?
そんなに風に思う人もいるかもしれません。
ですが、同じ年収でも職業が違うと借り入れ限度額が変わることは、よくある話です。
たとえば同じ年収400万円でも、公務員か水商売かで、借り入れ限度額が大きく違う可能性高いです。
もちろん、評価されるのは公務員の方です。
一見すると、職業差別に思えるもしれません。
ですが金融機関(や貸金業者)は、申し込み者の収入の安定を何よりも重視します。
水商売に較べて公務員の方が収入の安定が高いので、金融機関からの評価が高いのです。
このほか、上場企業の正社員や弁護士、医師など、社会的な信頼度が高い企業に勤めている場合、借入可能額は大きくなります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】公務員のカードローン審査で大事なことは?
逆に、借入ができない職業もあります。
典型は「無職」で、貸出に応じるカードローン会社はないでしょう。
専業主婦も借り入れ不可の職業です。
ただ一部の銀行カードローンは、借り入れ限度額30万円まで応じています。
<関連記事>:【元銀行員が解説】専業主婦でも借りれるカードローンは?
また学生は(週3日以上の)パート・アルバイトで安定収入があれば、カードローンの利用は可能とされています。
ですが実際には、一部の銀行カードローンでは学生の利用を不可としています。
カードローンの限度額を増やすには?
カードローン利用に慣れてくると、「もっとお金を借りたいけど、どうすれば限度額を増やせるの?」と思う人もいるでしょう。
限度額を増やすためには、何をすれば良いのでしょうか?
初回から50万円を超える契約は難しい
相当な高年収の人なら、初回契約で100万円を超える借り入れ枠の設定も可能です。
筆者(もぐお)の知り合いの会社経営者(年収2400万円)は、消費者金融の申し込みをしたら300万円の借り入れ限度額を提案されていました。
ですが、これは一部の例外です。
ほとんどの人は、初回の借入枠(契約額)は多くても50万円になるのが普通です。
新規のお客さんに大きな金額を貸すのは、カードローン会社にとってリスクが大きいからです。
平凡な年収の方が、たとえば200万円ほどの高額借入れを希望しても、50万円しか限度額が認められなかった、といったケースは非常に多いです。
返済遅れがなければ、増額提案が来る場合あり
一定期間、問題なく取引(=返済)していると、カードローン会社から増枠の提案を受ける場合があります。
大抵は電話による営業で、もちろん断ることも可能です。
増枠すれば金利が下がることもあるので、借入予定がある人は増枠するとよいでしょう。
一方で借入れを増やす予定のない人は、不必要に借り入れを増やすことになるので、増枠は断るべきです。
<関連記事>:カードローン金利の仕組みを元銀行員が解説!利息の計算方法は?
ただし、仮に先方から増枠提案があり、お願いしたとしても増枠審査に通らない場合があります。
これは提案する部署(営業部)と、審査する部署が違うためと思われます。
カードローン会社からの増枠提案でも、絶対ではないことを覚えておいて下さい。
転職による年収アップは、増枠に有利?
カードローン審査に通る確率を上げるために、転職を薦める情報サイトを時々見かけます。
本当に転職によって、審査に通りやすくなるのでしょうか?
結論から言えば、場合によるとしか言えません。
転職によって年収が上がれば、それ自体は審査に有利かもしれません。
ですがカードローン審査では、勤続年数も重視してます。
転職によって、現在の職場の勤続年数がゼロになり、カードローン審査には不利に働きます。
年収と勤続年数のどちらが重視されるかは、カードローン会社によって違うので、何とも言えないのです。
カードローン審査のために転職するなんて本末転倒なので、転職活動はご自身の希望に応じて行うべきです。
<関連記事>:カードローンのお試し診断(仮審査)ってアテになる?
カードローン限度額の最新事情について
2010年の総量規制の導入により、消費者金融は貸出残高を大きく減少させました。
変わってカードローンの担い手として大きな役割を担ったのが、銀行カードローンです。
「総量規制の対象外」を武器に、貸出を大きく伸ばしてきました。
ですが2017年になり、風向きがかなり変わりました。
銀行カードローンでも年収制限が厳しくなった
銀行カードローンは総量規制の対象外のため、年収に関係なく多額の借り入れが可能です。
ですが、こうした借り入れに上限を設ける動きが出ています。
みずほ銀行カードローンは利用者の借り入れ上限を、年収の1/2から1/3に引き下げました。
金融庁が発表した銀行カードローンの実態調査(2018年8月)によると、2017年2月に年収制限を設けている銀行は5割だったのに、その1年後には9割にまで増加しました。
上の調査は2018年2月時点のデータなので、現在では更に、銀行カードローンによる借り入れ制限が厳しくなっていると予想されます。
このように銀行カードローンの借り入れ限度額は、抑える方向に進んでいます。
<関連記事>:【重要】銀行カードローンの審査に落ちた原因はコレ!
背景にあるのが銀行カードローンの過剰融資
銀行カードローンの借り入れ抑制が進む背景には、銀行カードローンによる過剰融資の問題があります。
2016年11月に日弁連が声を上げたのを皮切りに、マスコミも大きく取り上げ、社会問題になりました。
これに後押しされる形で、全国銀行協会は銀行自身による自主規制を発表しました。
年収による借り入れ制限を設けたり、50万円を超える借り入れには収入証明書の提出を義務づけたりです。
先のアンケートにもある通り、各銀行ともカードローンの借り入れ審査を厳しくする方向で舵を取っています。
<関連記事>:銀行カードローン問題とは?元銀行員が解説!
地銀カードローンなら、年収の1/2の借り入れも可?
先に紹介したみずほ銀行のほかに、バンクイックや三井住友銀行カードローンは、(公表こそしてないものの)借り入れ限度額を年収の1/3程度に制限している可能性が高いと思われます。
一方で地方銀行のカードローンについては、先のレポートにもある通り、対応が一律でないのが現状です。
2018年2月の時点でも、実に8割近くの銀行が借入の上限を、年収の1/2に設定しています。
現在では多少減っているでしょうが、まだ相応の地銀がこの状況と思われます。
したがって、もし年収の1/2程度の借り入れをしたいなら、地方銀行のカードローンを狙うのも一つの手です。
ただ具体的にどの地銀が対応しているのか、公表されていません。
加えて、年収の1/2近くまで借入するのは、かなりリスキーです。
地道に探せば、そうした地銀は見つかるかもしれませんが、当サイトでは過度な借り入れはおススメできません。
<関連記事>:地方銀行カードローンの選び方を元銀行員が解説!おすすめはどこ?
以上、カードローンの借り入れ限度額について見てきました。
カードローンの契約額(極度額)は最終的には審査によって決まるものの、各社で定めた最高限度額・総量規制の影響も受けます。
また、過剰融資問題を受け、カードローンの借り入れ限度額は抑える傾向があります。
一部の地銀カードローンでは年収の1/2まで借入が可能ですが、オススメはできません。
- カードローンの限度額は、最高借入額・総量規制・審査によって決まる
- 消費者金融は総量規制により、年収の1/3までしか借り入れできない
- 銀行カードローンに年収制限はないものの、最近は年収の1/2から1/3上限が多い
- 希望すれば増枠の審査を受けられるし、増枠提案を受ける場合もあり
- 地銀カードローンなら年収の1/2借り入れも可能だが、オススメしない

この記事の執筆者: もぐお
元銀行員。難しいキャッシングの情報を分かりやすくお伝えできるよう、頑張ります!プロフィールはコチラ