ぐっと身近になったカードローンですが、実際どんなサービスなのでしょうか?
今回は、カードローンとは何か、特徴や利用上の注意点など、分かりやすく解説します。
カードローンとは? |
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目次
そもそも「カードローン」って何?
カードローンとは?
カードローンとは、銀行や消費者金融などの金融機関から、無担保で少額のお金を借りられるローン商品です。
ここでいう「少額」とは10万円から50万円を指しますが、(審査に通れば)最高800万円の借入も可能です。
会社が発行するローンカードを使って、振り込みやATMでお金を借りる事ができます。
詳しくは後で解説しますが、手軽さや融資までのスピードに優れている点が特徴です。
カードローンには2種類ある
カードローンは、貸主の業態によって以下の2種類に分けられます。
・消費者金融カードローン
・銀行カードローン
以下、それぞれについて見ていきます。
<消費者金融カードローン>
「消費者金融カードローン」は、消費者金融が提供するカードローンです。
大手でいうと、プロミスやアコムなどがあります。
消費者金融の最大の特徴は、審査スピードの早さです。
最短30分で審査の回答が出て、即日融資も可能です。
ただし総量規制の対象となるため、他の借り入れと合わせて、年収の3分の1までしか借りられません。
総量規制とは、個人の借り入れを制限する規制で、貸金業法(=消費者金融を規制する法律)で定められています。
<銀行カードローン>
「銀行カードローン」は、銀行が発行するカードローンです。
大手銀行だけでなく、地方銀行でもカードローンを取り扱っています。
なお銀行カードローンは、即日融資に対応していません。
審査の回答は、最短でも翌営業日です。
また銀行は、銀行法の対象であり、貸金業法の適用は受けません。
総量規制の影響を受けず、年収の1/3を超える借り入れが出来ます。
ですが最近では、過剰融資を防ぐため、貸出を抑える銀行が増えています。
<関連記事>:銀行カードローンとは?元銀行員がメリットとデメリット・リスクを解説します
カードローン各社の借り入れ条件は?
カードローンの借り入れ条件は各社で違いますが、消費者金融と銀行カードローンで区別すると分かりやすいでしょう。
以下の表は、大手消費者金融・大手銀行カードローンの金利と借入限度額をまとめたものです。
<消費者金融>
消費者金融カードローン | 金利 | 借入限度額 |
---|---|---|
プロミス | 年4.5%~17.8% | 1万円~500万円 |
SMBCモビット | 年3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
アコム | 年3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
アイフル | 年3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
<銀行カードローン>
銀行カードローン | 金利 | 借入限度額 |
---|---|---|
三井住友銀行カードローン | 年4.0%~14.5% | 10万円~800万円 |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 年1.8%~14.6% | 10万円~500万円 |
みずほ銀行カードローン | 年2.0%~14.0% | 10万円~800万円 |
オリックス銀行カードローン | 年1.7%~17.8% | 10万円~800万円 |
表から分かる通り、銀行カードローンの金利は少し低め、消費者金融の金利は少し高めです。
初めての利用では、どの会社を選んでも、借り入れ限度額は50万円程度になり、上限金利が適用されるケースがほとんどです。
そのため金利だけで選ぶなら、銀行カードローンの方が有利です。
一方の「借入限度額」とは、そのカードローンで最高でも借入できる金額です。
実際にいくら借りられるかは、審査結果によって違います。
カードローンの利用条件は?
キャッシングに便利なカードローンですが、誰でも利用できる訳ではありません。
最低でも、以下の3つの条件を満たす必要があります。
・20歳以上であること
・安定収入があること
・身分証明書を用意すること
年齢は問題ないですね。20歳未満の人は、原則カードローンでの借入ができません。
安定収入とは継続的な収入があること、つまり仕事をしていることです。
正社員だけでなくパート・派遣でも問題ありませんが、最低でも週に3日以上は勤務していることが条件です。
単発バイトや専業主婦はカードローンを利用できませんが、一部の銀行カードローンは専業主婦でも30万円までなら審査に応じてくれる場合もあります。
最低限用意する書類は、身分証明書です。
運転免許証やパスポートなどあれば、問題ないです。
なお50万円を超える借入を希望する人は、収入証明書を別に用意する必要があります。
カードローンの魅力とは?5つのメリット
1.保証人・担保なしで借りられる
銀行などでお金を借りる場合、保証人や担保が必要になるのが一般的です。
たとえば住宅ローンは、購入する家が担保となります。
ですがカードローンなら、保証人や担保は不要です。
銀行カードローンでは保証会社が必要になりますが、銀行が勝手に用意してくれるので、こちらが何かする必要はありません。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンに保証人は必要なの?
2.限度額の枠内なら、何度でも借りられる
住宅ローンなどの一般的なローンでは、一つの契約で、決まった金額を一度だけ借りられます。
追加のお金が必要になったら、もう一度、審査を受ける必要があります。
それに対してカードローンは、借り入れの枠を設定する契約です。
限度額の枠内なら、都度の審査なしで、何度でも借り入れできます。
すぐに借りる予定がなくても、とりあえずカードローン枠だけ設定しておくことも可能です。
もちろん利息が発生するのは、実際に借り入れした時だけです。
3.融資までのスピードが早い
他のローンと比べて融資スピードが早いのも、カードローンの特徴です。
たとえば自動車ローンの場合、一般的に、融資までに1~2週間かかります。
銀行のフリーローンでも、審査に1週間はかかります。
ですが銀行カードローンは最短翌日から2日程度、消費者金融は最短30分で審査結果が出ます。
消費者金融のカードローンなら、申し込み当日の借り入れも可能です。
<関連記事>:【元銀行員が解説】即日融資が可能!おすすめカードローン
4.使い道が自由に決められる
住宅ローンや教育ローン、自動車ローンなどの場合、借りたお金の使い道が限定されます。
審査に当たって、資金使途と必要金額を確認できる資料の提出を求められることもあります。
一方カードローンは、使い道を原則自由に決める事が可能です。
カードローン利用者は、生活費や趣味・海外旅行など、色々な目的で借り入れをしています。
ただし多くのカードローンでは、事業性資金の借り入れは不可となっています。
まとまった金額を事業のために借りたいなら、ビジネスローンの利用を検討しましょう。
<関連記事>:キャッシングとは?元銀行員がカードローンとの違いを解説
5.振込やコンビニATMで借入・返済が可能
カードローンの契約をすると、ローンカードが発行されます。
ローンカードさえあれば、全国のコンビニATMでのキャッシングが可能です。
外出先で現金が手元にないときに、コンビニのATMで3万円だけ借りる、なんて使い方も可能です。
また、自分の銀行口座に直接振り込むことも可能です。
一方で返済も、ATMでも振込でも対応しています。
<関連記事>:【元銀行員が解説】コンビニATMでも借り入れできるカードローンを教えて!
カードローンの利用状況、どんな人が借りてる?
銀行カードローンの利用者は右肩上がり?
カードローンは、どれくらい利用されているのでしょうか?
銀行カードローンを例にして、カードローン残高の推移を見ていきます。
<出典>:銀行カードローンの実態調査結果について-金融庁より作成
グラフから分かる通り、2012年以降、銀行カードローンの残高は右肩上がりです。
ただし2017年に入り、銀行カードローン審査が厳格化しています。
今後は、カードローン利用者の伸びは鈍化すると思われます。
次に、カードローンを利用する人の割合を見てみましょう。
下のグラフは、一般消費者のうち、銀行カードローンを利用した経験がある人の割合を示したものです。
<出典>:銀行カードローンに関する消費者意識調査に関する報告‐全国銀行協会より作成
グラフを見ると全体の約12%が、銀行カードローンの経験者である事が分かります。
ただしこれらのデータは、銀行カードローンについての調査結果です。
消費者金融も合わせれば、更に多くの人がカードローンを利用していると言えるでしょう。
20代から40代の利用者が多い
以下は消費者金融アコムの、年代別の借入件数です。
借入件数 | 件数割合 | |
---|---|---|
20代 | 374,035 | 25.2% |
30代 | 351,201 | 23.7% |
40代 | 348,970 | 23.5% |
50代 | 245,956 | 16.6% |
60代以上 | 163,721 | 11.0% |
合計 | 1,483,883 | 100.0% |
(アコム18年3月期・有価証券報告書より)
こうして見ると、20代から40代で7割強、残りは50代・60代であることが分かります。
他のカードローン各社はデータを公表していませんが、これに近い数字であると思われます。
カードローンは若い人しか利用しないと考えてる人もいますが、実際には幅広い年代で利用されています。
また男女比でいうと、男性3対女性1の割合で利用されています。
利用者の職業は会社員(OL含む)が半数以上
利用者の職業 | 割合(%) |
---|---|
会社員 | 62.0% |
自営業 | 10.0% |
パート・アルバイト | 7.0% |
公務員 | 6.4% |
<出典>:銀行カードローンの実態調査結果について-金融庁
上の表は、銀行カードローン利用者に、職業をアンケートした結果を示したものです。
一番多いのが会社員(OLを含みます)、次に自営業、パート・アルバイト、公務員の順番です。
特に会社員の割合は利用者の約6割で、銀行カードローンの利用者の大半が会社員であることが分かります。
この傾向は消費者金融も同じで、利用者の半数は会社員です。
会社員の割合が多いのは単純に会社員の数が多いのもあるでしょうが、審査に有利な点も大きいでしょう。
ただし先ほども書いた通り、パート・バイト・派遣でも週3日以上の勤務があれば、審査に通る可能性はあります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンの審査の流れと審査基準
借入目的は「生活費のため」がNo.1
借入の目的 | 割合(%) |
---|---|
日常的な生活費の支出を補うため | 18.0% |
レジャー・趣味・娯楽を楽しむため | 12.2% |
給与前の一時的な資金不足を補うため | 10.5% |
所得が減少したため | 10.5% |
冠婚葬祭など急な出費のため | 8.8% |
カードローンでお金を借りる人は、どんな目的で利用するのでしょうか?
上の表は銀行カードローン利用者に、アンケートした結果をまとめた表です(最も当てはまるものを回答)。
一位は「日常的な生活支出の増加を補うため」です。
表を見ると分かる通り、生活費や急な出費のための利用や、給料の落ち込みを補う使い方が多いです。
一方で「ギャンブル目的」で借入をする人の割合は、5.8%です。
「カードローンはギャンブルや風俗のためのお金が借りられるのは問題だ」といった批判が、時々聞かれます。
ただアンケート結果を見る限りは、生活費での利用が大半で、ギャンブル目的の借入は少数派のようです。
借入先選びのポイントNo.1は金利
利用者の皆さんは、カードローン会社選びで何を重視したのでしょうか?
最も重視したポイント | 割合(%) |
---|---|
借入金利が低いこと | 27.3% |
会社が信頼・安心できること | 12.2% |
申込手続きが簡単であること | 5.3% |
借入審査が通りやすいこと | 5.2% |
返済方法が便利であること | 5.0% |
上の表は、銀行カードローン利用者に、最も重視したポイントをアンケートした結果です。
カードローン選びの第一位は、「金利が低いこと」です。
次いで「安心・信頼できる会社」・「申し込み手続きが簡単」・「審査に通りやすい」・「返済が便利」です。
この傾向は消費者金融の利用者も同じで、金利が低いこと・安心できる会社(=大手)が重視したポイントに挙げています。
以上から、カードローン利用者が金利で選ぶなら、メガバンクの銀行カードローンがオススメ、ということになります。
カードローンを利用する上での注意点・リスクは?
メリットが沢山あるカードローンですが、いくつか注意すべき点もあります。
デメリットは金利が高いこと
他のローンと比較すると、カードローンの金利は高めです。
以下の表では、銀行カードローンと、その他のローンの金利相場をまとめました。
ローンの種類 | 金利の相場 |
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銀行カードローン | 3.0%~15.0% |
消費者金融カードローン | 5.0%~18.0% |
自動車ローン | 2.0%~3.0% |
教育ローン | 3.0%~5.0% |
フリーローン | 6.0%~7.0% |
自動車ローンの金利は、2~3%であるのに対して、カードローンの上限金利は、消費者金融が18%、銀行で15%程度と、高く設定されている事が分かります。
カードローンの金利が高くなる一番の要因は、貸し手側のリスクの高さです。
融資までのスピードが重要になるカードローンは、審査に時間をかけられません。
そのため他のローンよりも審査が甘くなりがちで、その分だけ金利が高くなります。
借りたお金の利用目的を制限してないことも、金利が高くなる原因です。
自動車ローン・教育ローンは、借入目的が制限される分、審査がしやすいため金利を抑えられます。
一方のカードローンは使い道が原則自由のため、金利が高くなりがちです。
同じくフリーローンも使い道が原則自由ですが、審査に1週間かかるため、急な借入には向いてません。
高額の借入には向いてない
これまで見てきた通り、カードローンのメリットは手軽に(素早く)借入できることです。
一方でデメリットは金利が高いことです。
つまりカードローンは少額の借入には便利ですが、高額の借り入れには向いてません。
ここでいう少額とは、10万円から50万円、多くても100万円です。
もちろん審査に通れば、300万でも500万でも借入は可能です。
ですが金利の高さも考えると、それだけ借りるならフリーローンなども検討した方がよいでしょう。
便利すぎるために、借り過ぎに注意
気軽に借りられるカードローンですが、借り過ぎは厳禁です。
自分の返済能力を超える借り入れで、滞納し、それを返すためにまた借金をする(=多重債務)という悪循環に陥るケースもあります。
過剰融資を防ごうと色々な取り組みがされていますが、多くの人が多重債務に苦しんでいるのが現状です。
全国銀行協会でも、カードローン利用者に向けた広報活動を行っています。
<外部の関連サイト>:カードローン 借りすぎに注意!!-全国銀行協会
返済に遅れると、取り立てを受ける?
カードローンは借金なので、借りたをお金の返済をする必要があります。
でも返済が遅れたら、怖いお兄さんが自宅のドアをドンドン叩いて大声を出す、といったこともあるのでしょうか?
結論から言えば、そうした取り立てはありません。
脅すような取り立ては、法律で禁止されているためです。
ただ返済が遅れると、携帯に1日1回だけ電話が来るようになります。
電話そのものは丁寧ですが、あまり良い気分はしません。
あまりに返済が遅れると、自宅に電話が来たり、督促状が届きます。
カードローンの担当者が家族に返済の話をすることはありませんが、頻繁に連絡が来たら、家族に怪しまれるかもしれません。
家族に内緒でカードローンを利用したい人は、返済遅れにならないよう気を付けましょう。
目的で選ぶ!おすすめのカードローンは?
即日融資を希望するならプロミス
どうしても今日中にお金が必要、という人もいると思います。
先ほども書いた通り、銀行カードローンは即日融資に対応してないので、消費者金融を選ぶとよいでしょう。
即日融資で選ぶなら、オススメはプロミスです。
対応する契約機の設置は業界トップで、契約・返済に便利です。
また20時までにスマホで申し込みすれば、当日中の即日振込も可能です。
プロミスのカードローンでキャッシングしたい方
勤務先への電話をなしにしたいならSMBCモビット
カードローン審査の一環で、勤務先へカードローン担当者は確認の電話をします。
担当者がカードローン会社を名乗ることはありませんが(個人名を名乗ります)、電話が嫌だという人もいるはずです。
そんな方にオススメなのが、SMBCモビットです。
SMBCモビットの「WEB完結申込」なら、勤務先への電話連絡をなしにしてくれます。
SMBCモビットのカードローンでキャッシングしたい方
銀行ならではの金利で選ぶなら三井住友銀行カードローン
カードローン選びで最も重視されるのが金利というのは、先ほど見た通りです。
金利で選ぶなら、銀行カードローンを利用しましょう。
なかでもイチオシなのが、三井住友銀行カードローンです。
銀行ならでの金利に加え、三井住友銀行の普通預金口座を持っていなくても利用可能です。
最も使い勝手のよい銀行カードローンと言えます。
三井住友銀行カードローンで初めて借り入れするには?
以上、カードローンとは何か、メリット・デメリットについて解説しました。
手軽で便利なカードローンですが、使い方を誤れば、自分の首をしめる事にもつながります。
カードローンを利用する際は、身の丈に合った借り入れとなるよう注意しましょう。

この記事の執筆者: あいこ
元銀行員のアラサー女子。初心者のために、今日も分かりやすく解説します!プロフィールはコチラ