カードローンの申込をする際、年収を多く申告したり、勤めていない企業を勤務先に書いたりする人がいます。
ですが嘘の情報で申し込みをしても、審査の段階でほとんどバレます。
なぜカードローン会社は、申込者が年収や勤務先の嘘をついていると分かるのでしょうか?
今回はカードローン会社が嘘を見抜く方法と、嘘の情報で申し込むデメリットについて解説します。
目次
カードローン審査で申し込み者がつく嘘は?
本題に入る前に、まずは申込者がどんな嘘をつくのか見ていきましょう。
年収を高く見せる
カードローン審査でよくあるのが、年収を実際よりも高く申告するパターンです。
年収が低い人より高い人の方が審査に通りやすいことは、簡単に想像がつくでしょう。
特に高額の借入を希望する場合は、年収が高い方が有利です。
審査に通るために年収を偽る人もいますが、つい見栄を張って実際より高めに(もしくは過去の最高年収で)申し込む人もいます。
<関連記事>:派遣社員がお金を借りるなら?カードローンの在籍確認は大丈夫?
勤務先をごまかす
実際には勤務していない会社を、勤務先として申し込む人もいます。
勤務先の嘘のつき方には、2つのパターンがあります。
1つ目は審査を有利にするために、勤務先のウソを付くパターンです。
審査では中小企業よりも、大企業に勤務している方が有利になります。
一般的に大企業に勤めている人の方が、中小企業に勤める人よりも収入は上になります。
また大企業なら倒産する可能性も低いため、カードローン会社としては安心して貸し付けができます。
2つ目は本当の勤務先に在籍確認をされるのが嫌で、アリバイ会社を使うパターンです。
カードローンの申込をすると、勤務先として登録した会社で本当に働いているのかチェックされます(=在籍確認)。
ただ「勤務先に在籍確認の電話が来るのは、どうしても嫌だ」という人もいます。
そういう人がアリバイ会社を勤務先として申し込み、本当の勤務先に電話が来ないようにするのです。
このパターンは、水商売をしている人に多く見られます。
他社からの借り入れをごまかす
他社から借り入れがあるのに、それをごまかして申し込む人もいます。
借入件数や借入額が多いと、確かに審査では不利に働きます。
すでに3社から借り入れがある場合、4社目以降の審査が格段に厳しくなることは、良く知られています。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンの審査の流れと審査基準
カードローン会社は、こうやって嘘を見抜く!
収入証明書で年収を確認
消費者金融で50万円を超える借り入れを希望する場合、または他社との借り入れ総額が100万円を超える場合には、収入証明書の提出が必要です。
銀行カードローンでも50万円を超える借り入れでは、収入証明書の提出を求められるケースが増えています。
収入証明書とは、所得証明書・課税証明書・源泉徴収票など、その人の収入を証明できる書類の総称です。
年収をごまかそうとしても、収入証明書を見れば一発でバレます。
ちなみに、収入証明書として直近2ヶ月分の給与明細を提出する場合、それからおよその年収を計算して確認しています。
そのため多少は年収を盛ってもバレませんが、あまりにもかけ離れていると怪しまれます。
(コラム)50万円以下の借り入れなら年収の嘘はバレない?
借入希望額が50万円以下なら、収入証明書の提出義務はないため、年収を偽ってもバレにくいと言えるでしょう。
収入証明書以外で、年収を確認する方法はないからです。
ただし借入希望額が50万円以下でも、年収が少ない・勤続年数が短いなどの理由から、収入証明書の提出を要求される場合があります。
そのため借入希望額が少ないからといって、年収の嘘をつくことはおすすめしません。
またSMBCモビットでは借入希望額に関係なく、収入証明書の提出を求められます。
<関連記事>:収入証明不要カードローンのおすすめは?
在籍確認で勤務先を確認
カードローンを利用するには、「安定収入があること」が条件です。
申込者に安定収入があるか判断するために行っているのが、先ほども出てきた「在籍確認」です。
ほとんどのカードローン会社は、申込者の勤務先に電話をかけて在籍確認を行っています。
「○○さん(申込者)に取り次いでいただけますか」といった形で、本人がその会社に勤めていることを確認します。
もし申込時に嘘の勤務先を書いていれば、在籍確認の段階で嘘だと分かります。
また社会保険証を身分証明書として提示した場合は、その記載内容からも勤務先が確認できます。
<関連記事>:健康保険証だけでお金を借りる?対応するカードローン
信用情報機関を通じて、他社借り入れを確認
カードローンの借入を含め、クレジットカードの契約やスマホの分割購入(=割賦販売契約)など、与信取引の履歴はすべて信用情報機関に登録されています。
カードローン会社は申し込みがあると、その人の情報を信用情報機関に照会します。
金融機関・貸金業者・クレジットカード会社は信用情報機関を通じて情報を共有しているため、他社から借り入れがあれば一発で分かります。
強いて言えばヤミ金なら信用情報に載りませんが、悪質な違法業者ですので絶対に利用してはいけません。
カードローン審査で嘘を付くと、こんなデメリットがある
審査に通すために嘘をついたところで、何も良い事はありません。
しかし本当に大変なのは、嘘がバレずに審査に通ってしまったときです。
カードローン審査で嘘をついたことがバレたら、どんなことが起きるのでしょうか?
カードローン会社の審査に落ちる
「本当は年収440万円なのに450万円と書いた」など、年収の小さな嘘やちょっとした入力ミス程度なら特に問題ありません。
問題になってくるのは、嘘の勤務先を書く・年収を大幅に盛るなど、大きな嘘をついた場合です。
こういった明らかな嘘をつくと、バレた時点で審査に落ちます。
加えて、その会社内のブラックリストに載る可能性もあります。
社内ブラックリストに載ると、それ以降その会社の審査に通る可能性はかなり低くなります。
<関連記事>:カードローン審査に落ちる!ありがちな理由とは?
一括返済を要求される
審査に通ってから嘘がバレると、カードローン会社から一括返済を求められます。
たとえばバンクイックでは、契約書に以下のような規約が記載されています。
第12条(即時支払)
2.借主は次の各号の事由が一つでも生じた場合には、当行からの請求があり次第、貸越元利金等の全額について弁済期が到来するものとし、直ちに貸越元利金等の全額を支払うものとします。
(4)この契約に関し、当行に届け出た内容または提出資料に虚偽があると認められたとき。
簡単にまとめると「申込内容に嘘があると分かったら、すぐに元金と利息を全額まとめて支払ってもらう」ということです。
このように大手カードローンでは、一括返済の規約を設けていることが一般的です。
とはいえ嘘をついてお金を借りるくらいですから、一括返済は厳しいという人の方が多いでしょう。
このように、審査時に嘘がバレなかった時の方が、後々のダメージは大きくなります。
カードローンを強制解約され、金融事故となる
申込時の嘘がバレると、一括返済を求められるだけでなく、カードローンを強制解約させられるケースもあります。
先ほどと同じく、バンクイックの契約書を見てみましょう。
第19条(解約)
1.借主に第12条第1項または第2項のいずれか一つでも生じた場合は、当行はいつでも当座貸越を中止し、またはこの契約を解約することができるものとします。
先ほど一括返済の話で出てきたのが、第12条第2項です。
つまり申込内容に嘘があると分かったら一括返済してもらい、そのうえでカードローン会社側から一方的に解約できるということです。
「解約されたら別の会社からまた借りればいいや」と考える人もいるかもしれません。
ですが強制解約となると、金融事故として信用情報機関に登録されます。
強制解約の場合、事故情報が消えるまで5年かかります。
その間はカードローンに限らず、新規の借り入れが一切できません。
さらに現在の借入についても、他社から一斉に一括返済を求められます。
お金が足りなくて借入をしていたのですから、普通そこで一括返済できる人はいません。
<関連記事>:クレジットカード・ローンの事故情報(ブラックリスト)が消える期間は?
以上、カードローン審査で勤務先や年収の嘘がバレる理由について見てきました。
申込時に嘘をついても、在籍確認や収入証明書の提出などで簡単に見抜かれます。
また審査に通ってから嘘がバレると、余計にダメージが大きくなります。
収入が低かったり、他に借り入れがあったりしても、嘘をつくよりはよっぽど印象が良いです。
カードローン申込の際は、必ず本当のことを書きましょう。
- カードローンの嘘で多いのが、年収・勤務先・他社借入である
- 実際より大幅に高い年収を申告しても、収入証明書を見れば嘘だと分かる
- カードローン会社は申込者の勤務先に電話をかけて在籍確認をしている
- カードローン会社は信用情報機関を通じて、申込者の借入状況も調べられる
- 虚偽の情報で審査に通っても、解約・一括返済などデメリットが大きい

この記事の執筆者: もぐお
元銀行員。難しいキャッシングの情報を分かりやすくお伝えできるよう、頑張ります!プロフィールはコチラ