カードローンを利用する上で、ちゃんと返済できるか心配に感じる人もいるでしょう。
カードローンを返済で失敗しないためには、どんな点に気を付けたらいいのでしょうか?
今回はカードローン返済のコツや、万が一返済が行き詰まった際の対処法について紹介します 。
カードローンの返済で失敗しないためには?
カードローンに限らず、お金を借りたら必ず返さなければいけません。
返済で失敗しないためには、どんなことに気を付けるべきなのでしょうか?
<関連記事>:カードローンとは?元銀行員がわかりやすく解説!
返済遅れは遅延損害金がかかるので、要注意
返済が1日でも遅れると、遅延損害金が発生します。
これは返済が遅れたことに対する迷惑料のようなもので、通常の金利に加算されます。
元金と利息だけでも苦しいのに、遅延損害金まで支払うことになると、余計に返済が難しくなります。
多少返済が苦しくても、期日までにきちんと返済することが失敗しないコツです。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンの遅延損害金とは?計算方法は?
返済先や返済額・返済日を全て紙に書きだす
筆者(もぐお)が過去に複数の多重債務者に取材した時に、共通点があることに気づきました。
多重債務者の人は、自分がどの会社からいくら借りているのか、いつまでに返すのかを正確に把握できてなかったのです。
ちょうど、太っている人が(体重計に乗るのが怖くて)、自分の正確な体重を知らないのに似ています。
きちんと期日を守って返済するには、まず自分の借金の状況を正しく把握しておく必要があります。
オススメなのは、全ての借入先の金額・返済日・返済金額を紙に書き出すことです。
もちろんパソコンでファイルを作成しても構いません。自分が確認しやすいようにまとめてください。
これを小まめに確認することで、返済漏れや返済忘れを防ぐことができるでしょう。
<関連記事>:【元銀行員が解説】貸付自粛制度とは?借金させない制度の使い方と注意点
自分にあった返済方法を選ぶ(オススメは振替口座)
返済方法には、以下のような方法があります。
・ネット(スマホ)での振込
・口座振替
・専用ATMでの支払
・提携するコンビニATMでの支払
自分に合った方法で返済するのが一番ですが、迷った場合には口座振替にすることをオススメします。
振込やATMでの支払は、自分の都合の良いタイミングで支払いができますが、逆に言えば自分でしっかり返済日や返済額を管理していないといけません。
口座振替にしておけば自動的に支払が行われるので、返済忘れを防ぐことができます。
ただし口座にある程度お金を入れておくのを、忘れないようにしてくださいね。
<関連記事>:カードローンの返済遅れ・延滞って、やっぱりNG?
カードローンで返済負担を減らす方法は?
カードローンで同じ額を借りたとしても、条件によって返済総額が変わってくることはご存じでしたか?
同じ額の借入をするなら、当然、返済額は少ない方が良いですよね。
ここでは、カードローンの負担を軽くする方法を紹介します。
ポイントは金利を下げるか、返済期間を短くする
返済総額は、返済期間や金利によって大きく変わってきます。
同じ額を借りたとしても、金利が高ければ高いほど、返済期間が長ければ長いほど、返済総額は高くなります。
カードローンの返済負担を減らすには、少しでも金利の低くしたり、返済期間を短くしたりするのがポイントです。
これから主な方法を3つ紹介します。
(方法1)繰り上げ返済を活用して、返済利息を減らす
カードローンの返済期間は、「借入額」・「金利」・「毎月の最低返済額」によって決定します。
しかし毎月最低返済額しか返せないわけではなく、もしいくらかお金に余裕がある場合には、最低返済額にいくらか上乗せして返済することも可能です。
これを「繰り上げ返済」と言い、残額を一度に返済する場合は「一括返済」と呼びます。
繰り上げ返済をすると、その分返済期間が短くなりますし、上乗せした返済額が全て元本の返済に充てられるため、利息の支払いも少なくすることができます。
ボーナスや臨時収入などで生活に余裕ができたときは、無理のない範囲で繰り上げ返済を利用してみてください。
<関連記事>:カードローンの一括返済で絶対気を付けたいこと
(方法2)金利の低いカードローンに借り換える
「利息ばかり払っていて、なかなか元本が減らない」という場合には、金利の低いカードローンに借り換えてしまうのも一つの手です。
金利が低いところに借り換えることで、返済する利息の額を抑えることができます。
消費者金融の金利の相場が年3.0~18.0%であるのに対し、銀行カードローンの金利は年2.0~15.0%が相場となっています。
数%の金利差でも、期間が長くなればなるほど返済額には大きな差が出てきます。
返済負担を減らしたいなら、できるだけ金利の低いカードローンへの借り換えを検討しましょう。
<関連記事>:【低金利で選ぶ】元銀行員がカードローン上位15社を比較!
(方法3)おまとめローンで、複数の借り入れを一本化する
複数の会社から借り入れをしている場合、「おまとめローン」を活用するという方法もあります。
おまとめローンとは、複数の借り入れを1社にまとめて借り換えることで借入れ金利を引き下げ、利息額を抑える手法です。
また、返済日や借入残高の管理も1カ所だけで済むので、自分の借入状況を把握しやすくなります。
うっかり返済日を忘れてしまう危険性も低くなりますし、「この1社だけ返せばいい」ということで精神的にも少し余裕が生まれるかもしれません。
<関連記事>:【元銀行員が解説】おまとめローンでNGなこと・審査上の注意点
カードローンの返済に行き詰まった!対処法は?
ちゃんと毎月返済する意思があったとしても、何らかの事情で返済に行き詰まってしまう場合があるかもしれません。
万が一 返済が難しい状況になってしまった場合、どのように対処するべきなのでしょうか。
副業・身の回りの整理でお金を用意する
お金が足りないのであれば、まずは少しでもお金を増やす方法がないか考えてみましょう。
時間や体力に余裕があるなら、副業を始めるのがオススメです。
月数万円でも収入が増えれば、返済も大分ラクになる場合が多いのではないでしょうか。
ただし、会社によっては副業が禁止されていることもあるので、事前に確認しましょう。
副業ができない場合でも、身の回りのものを売ってお金を捻出できるかもしれません。
質屋なども考えられますが、最近ではフリマアプリ(メルカリなど)で高値で買い取ってもらえるケースが増えました。
それでも足りない場合には、知人や親類に相談することも考えてみてください。
<関連記事>:【元銀行員が解説】即金で5万円・10万円を作るために絶対知っておきたいこと
返済計画の見直しを担当者に相談する
どうしても返済が厳しいというのであれば、返済スケジュールの見直しを担当者にお願いしてみましょう。
返済が遅れると遅延損害金も発生してしまうため、支払が苦しいと思ったら早めに相談することをオススメします。
相談した結果、返済計画の見直しに応じてもらえたというケースは多いです。
ただし毎月の返済額は減額してもらえますが、後述するようなデメリット(「返済計画の見直しは、長期的に見て返済負担を増やす」)もあります。
最後は弁護士・司法書士に債務整理を相談する
返済計画の見直しをしても厳しい場合には、債務整理も検討した方が良いかもしれません。
債務整理とは、借金全体の額を減らしたり、月々の支払額を減らしたりすることで、利用者の負担を軽くするための法的手段です。
債務整理を申し出れば、遅延損害金の発生もストップし、カードローン会社から催促の電話連絡が来ていた場合はそれも止まります。
本当に困ったときは、弁護士や司法書士など専門家の力を借りましょう。
最近は無料で法律相談を受け付けているところも多いので、まずは相談だけでもしてみるといいかもしれません。
カードローンの返済、こんな点にも注意!
返済計画の見直しは、長期的に見て返済負担を増やす
先ほど返済計画の見直しの話をしましたが、それによって返済額が減るわけではありません(借金の額が減るのは債務整理です。)
返済計画を見直すことで毎月の返済額は減りますが、その分返済期間が長くなり利息も付くため、結果として返済総額は大きくなってしまいます。
一時しのぎで使うのであればまだしも、単に月々の返済額を減らすために返済計画の見直しをするのは、オススメできません。
特に長期の取引の場合、よく考えてからにした方が良いでしょう。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンの返済期間はどの位?返済できない時はどうなる?
複数の借入先がある人は、金利の高い会社から優先して返済
もし複数の会社から借入があり、全部の返済が難しい場合は、金利の高い会社から優先して返済しましょう。
金利の高い会社からの借入が残っていると、返済負担がどんどん重くなってしまうからです。
優先順位を付けずにどの会社にも少しずつ返していると、利息ばかり支払っていつまでも返済が終わらない、という状態に陥りかねません。
少しでも早く完済するためには、金利の高い会社から順番に返していきましょう。
意思の弱い人は、金額の少ない会社から優先して返済
「あちこちから借りていて、返済する気力が湧かない・・」という人は、返済額が少ないところから優先して返していくのも手です。
ちなみにこの手法は、金融の常識には反します。
金融知識のあるFP(ファイナンシャルプランナー)なら、先に挙げた、金利の高い会社からの返済を薦めるはずです。
それは金融の常識では正解なのですが、金利の高い会社への返済に時間が掛かると、達成感が実感できず、先に気力が尽きてしまうかもしれません。
一方で、たとえ少額でも1社完済できれば達成感が得られ、次の返済に向けて気持ちに弾み(はずみ)がつくかもしれません。
実はこの方法、アメリカの家事コンサルタントが推奨する、お掃除法を応用したものです。
家じゅうが散らかっている状態で、一番汚い部屋を片付けようとしても気力が沸かないですよね。
そんな時は、一番キレイな(=散らかってない)部屋を掃除します。一番キレイな部屋から、短時間で片付きますよね。
次は2番目にキレイな部屋の方付けという形で、ハードルの低いゴールから達成していく方法です。
意思が弱いと感じる人は、こんな方法を試してみてもよいかもしれません。
返済のための借り入れは絶対にNG!
返済が苦しいときでも絶対にやってはいけないのが、返済のために他社から新たに借入をすることです。
これをやってしまうと借金がどんどん増えていき、返済でクビが回らなくなります。
実は、多重債務から債務整理に追い込まれるのが典型的なパターンです。
同じ債務整理をするのでも、借入額が少ない方が被害も少なくて済みます。
どうしても返済が難しい場合でも、そのために借入をするのは絶対にやめましょう。
何の解決にもならないどころか、かえって問題を大きくしてしまいます。
困ったときは、できるだけ早めに知人や親類、担当者、弁護士や司法書士などに相談するようにしてください。
<外部の関連サイト>:多重債務者とは?借金解決の方法は?
ここまでカードローンの返済のコツについて紹介してきました。
できるだけ低金利・短期間で利用することによって、カードローンの返済総額を抑えることができます。
まずは自分の借金について正確に把握し、繰り上げ返済やおまとめローンなども活用しながら、計画的に返済していきましょう。
- 自分がどこからいくら借りていて、いつまでに返済するのかを正確に把握しよう
- 返済総額を少なくするには、金利の低いところで借りるか返済期間を短くすること
- 返済計画の見直しをしても、月々の支払が減るだけで返済総額は増えるため要注意
- 借入先が複数ある場合は、金利が高いところから優先的に返済していこう
- 返済が難しくても、新たに借金をするのは絶対NG

この記事の執筆者: もぐお
元銀行員。難しいキャッシングの情報を分かりやすくお伝えできるよう、頑張ります!プロフィールはコチラ