手軽に借り入れできる方法として一般的なのが、カードローンとクレジットカードです。
これらは、「カードを使ってお金を借りる」という点で共通しています。
ですがカードローンとクレジットカードは全くの別物で、得意な点も違います。
今回は、カードローンとクレジットカードの違いについて、解説します。
目次
カードローンとクレジットカードの違いは「目的」
カードローンとクレジットカードで大きく異なるのは、「何を目的としているか」です。
どんな目的でお金を借りる?
一般に、キャッシングを行うのはどんな場面でしょうか?
下図は、キャッシング経験者(カードローン、クレジットカード含む)の借入金の使い道について表したものです。
<出典>:銀行カードローンに関する消費者意識調査に関する報告より作成
図から分かる通り、日常の生活費の補てんが33.8%を占めています。
つまり、あまり大きくない金額を、一時的に借りるケースが多いと言えます。
お金を借りる方法は色々ありますが、少額をスピーディーに借りる場合に便利なのが、カードローンとクレジットカードです。
ここからは、カードローンとクレジットカードのそれぞれの特徴を見ていきましょう。
カードローンは「借り入れ」
カードローンは、借り入れを目的として利用される金融商品です。
審査に通れば、銀行や消費者金融などから無担保で融資を受けられます。
カードローンには、一般的なローンとは異なる特徴があります。
たとえば住宅ローンの場合、1つの契約で決まった金額を一度だけ借りられます。
追加のお金が必要になったら、もう一度、審査を受ける必要があります。
それに対してカードローンは、借入枠を設定する契約なので、限度額の枠内なら何度でも借り入れが可能です。
カードローンは、貸主の業種によって2種類に分けられます。
消費者金融が貸主である「消費者金融カードローン」と、銀行が貸主の「銀行カードローン」です。
消費者金融は、審査スピードがとても早く、即日融資に対応しています。
一方、銀行カードローンは即日融資はできないものの、金利は消費者金融よりも低めになっています。
<関連記事>:カードローンとは?元銀行員がわかりやすく解説!
クレジットカードは「後払い」
クレジットカードを利用する人は、「後払い」を目的としています。
クレジットカードのメイン機能は、ショッピングです。
買い物をする際、商品代金をクレジットカード会社に立て替えてもらう仕組みになっています。
そして、クレジットカードのもう一つの機能が、キャッシングです。
クレジットカードでも無担保で借り入れができるので、一見カードローンと同じようにも思えます。
ただしカードローンとは、借入限度額の考え方が異なります。
クレジットカードの場合、限度額の全額をショッピング枠として利用可能です。
そのショッピング枠に含まれる形で、キャッシング枠が設定されます。
したがってショッピングで限度額ギリギリまで利用すると、その分キャッシングで使える金額は小さくなります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】キャッシングとは?カードローンとの違いは?
しかしショッピング利用の状況によって、キャッシングで使える枠が変動する点に注意しましょう。
カードローンVSクレジットカード、比較のための5つのポイント
以下では、カードローンとクレジットカードを比べるためのポイントを、5つ紹介します。
1.金利が低くなるか?
カードローンの金利は、借入限度額の大きさで変わります。
例として、三井住友銀行カードローンの場合を見てみましょう。
借入限度額 | 金利 |
---|---|
10万円以上100万円以下 | 年12.0%~14.5% |
100万円超200万円以下 | 年10.0%~12.0% |
200万円超300万円以下 | 年8.0%~10.0% |
300万円超400万円以下 | 年7.0%~8.0% |
400万円超500万円以下 | 年6.0%~7.0% |
500万円超600万円以下 | 年5.0%~6.0% |
600万円超700万円以下 | 年4.5%~5.0% |
700万円超800万円以下 | 年4.0%~4.5% |
表から分かる通り、カードローンは契約した借入限度額が大きくなればなるほど、低い金利が適用されます。
それに対してクレジットカードのキャッシングの場合、限度額に応じた金利幅はありません。
限度額に関わらず、15%~18%でほぼ固定になります。
<関連記事>:銀行カードローンとは?元銀行員がメリットとデメリット・リスクを解説します
2.限度額の大きさ
カードローンの借入限度額は、10~800万円程です。
クレジットカードの場合、キャッシング枠はショッピング枠に含まれるので、カードローンと比べると小さくなります。
一般的に、5~100万円の間でキャッシング枠を設定します。
ただし実際には、審査の過程で、50万円以内に落ち着くケースが多くなっています。
3.返済方式、分割か一括か?
カードローンとクレジットカードの大きな違いの一つが、「返済方式」です。
カードローンは、分割して少しずつ返済する方法を採用しています。
一方、クレジットカードでのキャッシングの場合、利用額分を翌月に一括返済するのが基本です。
しかし最近では、リボ払いに対応したクレジットカードが増えており、その差は小さくなっています。
4.返済方法の自由度
自分が利用しやすい返済方法かどうかも、比較のポイントになります。
カードローンなら、口座引落しの他、銀行振込みやコンビニATMなどでの返済が可能です。
「通帳に記録を残したくないからATM」など、自分が返しやすい方法を選べます。
クレジットカードの返済は、口座引落しが基本です。
返済方法の自由度という観点では、カードローンに軍配が上がります。
5.サービスの充実度
カードローンは、海外での利用はできません。
それに対してクレジットカードなら、海外でもキャッシングが可能です。
海外のATMで現地通貨を引き出すことができ、空港などで両替するよりもお得になるケースがあります。
またクレジットカードの特徴の一つが、付帯サービスです。
利用額に応じてポイントが付与されるほか、保険や優待が利用できるクレジットカードもあります。
カードローンとクレジットカード、どっちがおすすめ?
ここまで、カードローンとクレジットカードの違いを見てきました。
ではキャッシングをするには、どちらを選べば良いのでしょうか?
すぐにお金が必要ならカードローン
カードローンの最大の魅力が、融資スピードの早さです。
「まとまったお金を今すぐ借りたい!」という場合には、カードローンをおすすめします。
消費者金融なら即日融資に対応しており、最短30分で審査結果が出ます。
銀行カードローンでも、最短翌営業日に借り入れ可能です。
また借り入れの状況によっては、クレジットカードよりも低い金利でキャッシングできます。
<関連記事>:【元銀行員が解説】即日融資が可能!おすすめカードローン
買い物メインならクレジットカード
後払いで買い物をしたい場合、クレジットカードが便利です。
ただしクレジットカードは、発行までに1週間から1か月程度かかります。
すぐにキャッシングしたい人には、不向きと言えます。
カードローンとクレジットカードの違いをまとめてみた!
最後に、紹介したカードローンとクレジットカードの違いを、下の表にまとめました。
カードローンとクレジットカードで迷ったときには、ぜひ参考にしてみてください。
カードローン | クレジットカード | |
---|---|---|
貸主 | 消費者金融、銀行など | クレジットカード会社 |
借入限度額 | 10万円~800万円程度 | 5万円~100万円程度 |
金利 | 消費者金融:5.0%~18.0% 銀行カードローン:3.0%~15.0% |
15%~18%で固定 |
返済方式 | 分割払い | 翌月一括払い |
返済方法 | 口座引落し、振込み、ATM | 口座引落し(原則) |
海外利用 付帯サービス |
× | 〇 |
おすすめの使い方 | 急ぎの借り入れ | 買い物(後払い) |
以上、カードローンとクレジットカードの違いについて解説しました。
ここまで見てきた通り、2つには異なる特徴があります。
そのためどちらを利用するべきか、一概には言えません。
それぞれの特徴を比べて、自分が使いやすい方を選ぶと良いでしょう。
【低金利カードローン】元銀行員が15社からおすすめをランキングで紹介!
- カードローンは、銀行や消費者金融などから無担保でお金を借りる融資商品
- クレジットカードは、カード会社にお金を立て替えてもらう、後払いサービス
- 借入状況によっては、カードローンの方が金利が低くなる
- クレジットカードは海外で利用でき、付帯サービスも充実している
- すぐにお金を借りたい場合は、カードローンを選ぶ

この記事の執筆者: あいこ
元銀行員のアラサー女子。初心者のために、今日も分かりやすく解説します!プロフィールはコチラ