カードローン利用者の中には、「金利を下げて返済を楽にできたら良いのに・・・」と考えている人も多いと思います。
カードローンの金利を下げる方法の一つが、「借り換え」です。
「借り換え」という言葉を聞いたことはあっても、その内容をきちんと説明できる人は少ないでしょう。
今回は、カードローンの借り換えについて、方法や注意点を解説します。
目次
カードローンの借り換え、メリットや特徴は?
そもそも借り換えには、どのような効果があるのでしょうか?
まず初めに、借り換えのメリットや特徴を見ていきます。
借り換えで金利が下がる可能性あり!
借り換えとは、既存の借り入れよりも有利な条件のローンへ乗り換える事を指します。
利用中のカードローンよりも低い金利のローンに借り換えると、その差分だけ金利が下がります。
借り換えによって金利が下がれば、利息の負担が軽くなり、返済額を減らす事が可能です。
では実際に、借り換えでいくら位の利息が減るのでしょうか?
例として、借入金額100万円を5年間で返済した場合の、総返済額と利息額を見ていきます。
金利(年) | 総返済額 | 内 利息 |
---|---|---|
18.0% | 1,523,573円 | 579,052円 |
15.0% | 1,427,378円 | 427,378円 |
金利が年18%のカードローンから年15%のローンに借り換えた場合、15万円以上の利息を減らす事が可能です。
<関連記事>:カードローン金利の仕組みを元銀行員が解説!利息の計算方法は?
借り換えには2種類ある
「借り換え」と一口に言っても、借り入れの状況によって、以下の2つのパターンに分けられます。
<既存の借り入れが1社のみの場合>
既存の借り入れが1社のみの場合、借入残高と同じ金額を別の会社で新たに借り入れる事で、借り換えを行います。
借換先で借りたお金は、既存の借金を一括返済するの資金に充てられます。
既存の借り入れを解約する事で、借入先の変更が可能です。
<複数の借り入れを一本化する場合>
既に複数の会社から借り入れがある場合は、「おまとめローン」を利用します。
複数の借り入れを一本化する事で、返済日の統一が可能です。
おまとめ先の1社にだけ返済すれば良いので、返済状況の管理がグッと楽になります。
なおローン各社は、借入額に応じて、適用される金利の幅を定めています。
借入額が大きくなるほど、適用される金利帯は低くなるのが一般的です。
そのため1社にまとめる事で、複数の会社で少しずつ借りた場合よりも、低金利で借り入れできます。
カードローンの借り換えは審査が厳しい
上にも書いた通り、カードローンの借り換えには、金利が下がるなどメリットがあります。
しかし借り換えの場合、通常のカードローン申込に比べて、審査は厳しめです。
借り換えを検討している人は、多額の借り入れを抱えているケースが多いためです。
特に借入件数が多い人は、返済不能に陥るリスクが高いと判断され、審査で大きなマイナスポイントになります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローンの審査の流れと審査基準
カードローンの借り換え、方法は?
カードローンを借り換える方法として、①低金利カードローン、②フリーローン、③おまとめ専用ローンの3つが考えられます。
以下、借り換えの方法について、詳しく見ていきましょう。
低金利の銀行カードローンに借り換え
高めの金利でカードローンを利用している場合、銀行カードローンへの乗り換えを検討しましょう。
銀行カードローンは、消費者金融と比べて低金利なのが特徴です。
以下の表では、大手消費者金融と銀行カードローンの金利を一覧にまとめました。
<消費者金融>
消費者金融カードローン | 金利(年) | 借入限度額 |
---|---|---|
プロミス | 4.5%~17.8% | 1万円~500万円 |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
アコム | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
アイフル | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
<銀行カードローン>
銀行カードローン | 金利(年) | 借入限度額 |
---|---|---|
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 10万円~800万円 |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 1.8%~14.6% | 10万円~500万円 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 10万円~800万円 |
表からも分かる通り、消費者金融の金利相場は年3.0%~18.0%です。
それに対し、銀行カードローンの金利は、年2.0%~15.0%が相場になっています。
<関連記事>:消費者金融から銀行カードローンへの借り換えで絶対気を付けたいことは?
フリーローンへ借り換え
「フリーローン」の中にも、借り換え目的で利用できるローンがあります。
フリーローンとは、銀行などで取り扱われるローン商品です。
自動車ローンや住宅ローンとは異なり、借りたお金の利用目的は、基本的に自由とされています。
フリーローンの金利相場は年6.0%~7.0%であり、カードローンよりも低金利で借り入れできます。
ただしフリーローンは、一つの契約で、決まった金額を一度だけ借りられるタイプのローン(=証書貸付)です。
カードローンのように、繰り返し何度も借りる事はできません。
また審査に最低でも1週間はかかり、銀行カードローンよりも審査が厳しいので、カードローンに較べて使い勝手が良くないのが難点です。
既存の借り入れが多い人は、おまとめ専用ローンを利用する
複数の借り入れを一本化するとなると、どうしても借入額は大きくなってしまいます。
そのため借入件数が多い人には、借入限度額の上限が大きく、金利が低い「おまとめ専用ローン」の利用がオススメです。
たとえば大手消費者金融のアイフルでは、おまとめ専用ローン「おまとめMAX」が用意されています。
<関連記事>:【元銀行員が解説】おまとめローンでNGなこと・審査上の注意点
失敗しない!借り換えローンを選ぶ3つのポイント
ここまで、借り換えの特徴や方法について見てきました。
では、カードローンの借換先を選ぶ時、どんな点に注意すれば良いのでしょうか?
1.利用中のカードローンよりも金利が下がること
繰り返しになりますが、借り換えの最大のメリットは、金利が下がる事です。
そのため借換先選びに迷ったら、まず金利の低さで候補を絞りましょう。
同じくらいの金利のローンに乗り換えても、トータルの返済額が変わらず、借り換えの効果を十分に得られません。
またローン同士を金利で比較する際は、上限金利に注目しましょう。
金利は審査によって決まるので、いくら下限金利が低くても、実際にその金利が適用されるのは可能性はかなり低いです。
2.限度額の上限が借入残高よりも大きいこと
いくらまで借りられるのか(=借入限度額)の上限は、ローン会社によって異なります。
借り換え先を検討する際は、借入限度額の大きさが十分かどうかも重要なポイントです。
例として、200万円の借り入れがあるケースを考えます。
借換先のローンの限度額が最大100万円だった場合、新たに借りたお金だけでは既存のローンを完済する事ができません。
残った100万円の返済も続ける事となり、かえって返済が厳しくなります。
借り換えにあたっては、既存の借入残高の合計よりも、借入限度額が大きいローンを選ぶと良いでしょう。
3.トータルの返済額で損しないこと
借り換えを行う場合、まず借換先の会社と新たなローン契約を結ぶ事になります。
この時、毎月の返済額を少なく設定すれば、月々の支払いを楽にすることも可能です。
しかし毎月返済額を少なくし過ぎると、元金の返済ペースが遅れてしまいます。
返済期間が長引いた分だけ利息がかさみ、トータルの支払額が増える点には注意が必要です。
利息の負担を軽くするには、借り換え前と同じかそれ以上のペースで返済していく事になります。
<関連記事>:カードローンの返済期間はどの位?返済できない時はどうなる?
以上、カードローンの借り換えについて、方法や注意点を解説しました。
借り換えは、カードローンの金利を下げるために、効果的な方法の一つです。
ですが借換先の選び方や利用条件によっては、かえって返済の負担が増える結果にもなりかねません。
借り換えは、事前に下調べやシミュレーションをした上で、慎重に行いましょう。
- 借り換えとは、既存の借り入れよりも有利な条件のローンへ乗り換えること
- 複数の借り入れを一本化する場合は、「おまとめローン」を利用する
- 会社選びのポイントは、対応する自動契約機の数
- 消費者金融で借りている場合、金利が低い銀行カードローンへ借り換えるのも方法の一つ
- 借換後の毎月返済額を少なくし過ぎると、かえって利息の負担が増える点に注意

この記事の執筆者: あいこ
元銀行員のアラサー女子。初心者のために、今日も分かりやすく解説します!プロフィールはコチラ