利息を抑えるためには、低金利の銀行カードローンを選ぶ必要があります。
ですが、見かけ上は低金利でも、実際に少ない利息で借りられるとは限りません。
さらに、金利が低い分だけ、別のデメリットがあるカードローンも存在します。
ここでは、低金利の銀行カードローンの選び方と、おすすめの低金利カードローンを紹介します。
目次
低金利の銀行カードローン、選び方のポイントは?
一口に低金利カードローンと言っても、各社が提示する金利には幅があり(例:3.0%~15.0%)、選ぶのは簡単ではありません。
以下では、低金利カードローンを選ぶポイントを見ていきます。
みんな、どこを見てカードローンを選ぶ?
カードローンを選ぶ際、世間一般の人が最も重視するポイントは何でしょうか?
下のグラフは、借入先の金融機関を選ぶ上で最も重視するポイントについて、借入経験者に対して調査を行った結果を表したものです。
<出典>:銀行カードローンに関する消費者意識調査に関する報告‐全国銀行協会より作成
グラフから分かる通り、27.3%の人が「金利が低いこと」を最も重視すると回答しました。
この割合の大きさは、全項目で断トツの1位です。
金利で比べるなら「上限金利」が基準
カードローンを裏ぶ際に重要な「金利」ですが、比較にあたって、気を付けたいポイントがあります。
同じカードローンでも、借入枠の金額によって適用される金利帯が異なります。
例として、三菱UFJ銀行バンクイックの場合を見てみましょう。
借入枠(限度額) | 金利(年率) | |
---|---|---|
10万円以上100万円以下 | 年13.6%~14.6% | |
100万円超200万円以下 | 年10.6%~13.6% | |
200万円超300万円以下 | 年7.6%~10.6% | |
300万円超400万円以下 | 年6.1%~7.6% | |
400万円超500万円以下 | 年1.8%~6.1% |
表から分かる通り、借入枠が大きくなるにつれて、カードローン金利は低くなります。
借入枠ごとの上限金利に注目すると、その違いは一目瞭然です。
ただし初めて利用する場合、借入枠は100万円以下になるケースがほとんどです。
借入枠が100万以下だと、その会社の上限金利がほぼ適用されます。
<関連記事>:【元銀行員が解説】カードローン金利はどう決まる?利息の計算方法
大手銀行カードローンの金利を比較してみた
ではここで、大手銀行カードローンの金利を、上限金利の低い順に比較します。
<大手銀行カードローン15社>
カードローン | 金利(年率) |
---|---|
住信SBIネット銀行 Mr.カードローン プレミアムコース |
年1.59%~7.99% |
りそなカードローン | 年3.5%~12.475% |
イオン銀行カードローン | 年3.8%~13.8% |
ソニー銀行カードローン | 年2.5%~13.8% |
みずほ銀行カードローン | 年2.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 年4.0%~14.5% |
静岡銀行 セレカ | 年4.0%~14.5% |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 年1.8%~14.6% |
横浜銀行カードローン | 年1.5%~14.6% |
住信SBIネット銀行 Mr.カードローン スタンダードコース |
8.99%~14.79% |
千葉銀行カードローン | 年1.7%~14.8% |
常陽銀行カードローン キャッシュピット | 年2.5%~14.8% |
セブン銀行カードローン | 年15.0% |
auじぶん銀行 じぶんローン | 年2.2%~17.5% |
オリックス銀行カードローン | 年1.7%~17.8% |
こうして見ると、一口に銀行カードローンといっても、上限金利に違いがあることが分かります。
最も上限金利が低いのが住信SBIネット銀行(プレミアムコース)、最も上限金利が高いのがオリックス銀行です。
ちなみに、消費者金融の金利相場は以下の通りです。
<消費者金融カードローン>
カードローン | 金利(年率) |
---|---|
プロミス | 年4.5%~17.8% |
SMBCモビット | 年3.0%~18.0% |
上記は消費者金融の大手2社ですが、消費者金融の金利はどこも似たような金利帯です。
消費者金融に較べて、銀行カードローンの方が金利面で有利なことが分かります。
金利が低いカードローンは審査・条件も厳しい
上の表を見て、金利が一番低いカードローンを選べばよいや、と考えた人もいると思います。
ですが、カードローン選びは、それほど単純ではありません。
カードローンに限らず銀行ローン全部に言えることですが、金利が低くなるほど審査も厳しくなります。
たとえば住信SBIネット銀行カードローンには、プレミアムコース(上限金利7.99%)とスタンダードコース(上限金利14.79%)の2つがあります。
誰だってプレミアムコースで利用したいと思うはずですが、どちらのコースを適用するかはカードローン会社が決めます。
年収1000万円のエリートサラリーマンなら話は別ですが、収入が高くない平凡サラリーマンがプレミアムコースに選ばれる可能性は高くないでしょう。
次に上限金利の低い「りそなカードローン」についても、(収入のある)学生でも審査不可と条件は厳しめです。
低金利のカードローン選びでは、上限金利だけでなく、審査の厳しさも一緒に考える必要があります。
100万円を超える借入枠なら、上限金利も変わる
カードローンの金利選びでは、上限金利に注目すべきと説明しました。
ですが(おまとめ・借り換えなどで)100万を超える借入れを考えてるなら、話は違ってきます。
先ほどの比較表で、上限金利が最も高い銀行カードローンはオリックス銀行でした。
ところが、オリックス銀行カードローンで200万円ほど借りると、適用金利は5.0%~12.8%と、他行に較べてもかなりの低金利になります。
後ほど紹介する銀行カードローンの低金利ランキングでは、こうした点も加味してランク付けしてます。
低金利の銀行カードローンで注意すべき点は?
自分に合ったカードローンは見つけるためには、金利の低さを比較するだけでは不十分です。
ここでは、低金利のカードローンを利用する際、注意すべき点を解説します。
銀行カードローンは即日キャッシング不可
現在、銀行カードローンは即日融資に対応していません。
銀行の審査の場合、反社チェック(申込者が反社会的勢力に該当しないことの確認)に時間がかかるためです。
銀行カードローンの審査回答は、最短でも翌日、長いと2週間程度かかります。
それに対して消費者金融なら、最短30分で審査結果が出て、当日中の借り入れが可能です。
即日での借り入れを希望する場合は、消費者金融を選ぶ必要があります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】土日の即日融資カードローン、おすすめは?
低金利より無利息サービスの方がお得かも
一部の消費者金融では、一定期間の無利息サービスがあります。
たとえばプロミスなら、初めて利用する場合、最大30日間の利息が0円になります(注:メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要です)。
借り入れのスタイルによりますが、無利息サービスを使えば、消費者金融でも、銀行カードローンよりもお得になる可能性があります。
以下の表は、30万円借りた時の利息を、低金利カードローンと無利息サービス利用とで比較したものです。
なお無利息サービスについては、初月分の金利が0円になると仮定して算出しました。
<借入金額:30万円、返済期間:6か月>
<借入金額:30万円、返済期間:12か月>
表を見ると、6か月の借り入れであれば、消費者金融で無利息サービスを活用した方が、利息の総額は少なく済みます。
一方12か月の借り入れになると、低金利の銀行カードローンの方がお得です。
1回だけの借り入れで、短期間で返済できる予定ならば、無利息サービスがあるカードローンを検討しても良いでしょう。
ただし返済期間が短くなるほど、毎月の返済額が大きくなります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】無利息期間のあるカードローンの選び方
その銀行の口座を持ってます?
銀行カードローン選びで特に重要なのが、「その銀行の口座を持っているか?」です。
多くの銀行カードローンでは、その銀行の口座を持っていることをカードローン契約の条件に挙げている会社が多いのです。
たとえば(金利の低い)ソニー銀行やみずほ銀行は、普通預金口座の開設をカードローン利用の条件に挙げています。
イオン銀行は口座開設しなくてもカードローンの利用は可能ですが、申し込みから1週間程度かかり、使い勝手が良いとは言えません。
銀行カードローン選びでは、自分の取引銀行を確認した方がよいでしょう。
たとえば、みずほ銀行だと住宅ローンの利用があれば、カードローン金利を0.5%下げるといったサービスも提供しています。
ちなみに、三井住友銀行カードローンとバンクイックは、銀行口座がなくても最短翌営業日から利用が可能です。
元銀行員が選ぶ!低金利の銀行カードローン
- 金利が1.8%~14.6%と、大手銀行でも低い水準になっています。
スマホから申し込んだ後、ATMコーナー併設のテレビ窓口で契約手続きを行います。
テレビ窓口は他の手続きでも使うので、知り合いに見られても怪しまれません。
なお契約手続きには免許証が必要になるので、忘れず持参しましょう(※50万円超の利用限度額をご希望の場合は収入証明書をお持ちください)。

金利 | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.8%~14.6% | 10万円~500万円 | 満20歳以上65歳未満 |
- 千葉銀行カードローンも、低金利が魅力です。
既に千葉銀行の口座を持っていれば、WEB完結で申し込みから借り入れまでスムーズに手続きできます。
ただし地方銀行のため、千葉・東京・埼玉・茨城・神奈川(一部地域)に在住・通勤している場合のみ利用可能です。

金利 | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.7%~14.8% | 10万円~800万円 | 満20歳以上65歳未満 |
- 上限金利こそ高いものの、借入額が100万円を超えると大幅に金利を下げることができます。
提携のコンビニATMが多く、手数料無料で入出金できるのは嬉しいポイントです。
また銀行カードローンには珍しく、ネット振込サービスが充実しています。
キャンペーンも積極的に行っているので、ぜひ確認してみてください。

金利 | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.7%~17.8% | 10万円~800万円 | 満20歳以上69歳未満 |
- 横浜銀行の最大の特徴が、借入限度額が最大1000万円までである点です。
WEB完結で申し込み・契約・借入ができますが、横浜銀行の普通預金口座を持っていない方は、契約までに口座開設が必要になります。
利用可能エリアは、神奈川・東京・群馬(前橋市、高崎市、桐生市)に限定されます。

金利(年率) | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.5%~14.6% | 10万円~1000万円 | 満20歳以上69歳以下 |
低金利カードローンといっても借り過ぎに注意
上では、おすすめの低金利カードローンを紹介しました。
ですが、いくら低金利でも借り過ぎたら、それだけ返済負担も重くなります。
金利だけでなく、借入額・返済期間にも気を付けるべき
金利が低い方が、返済負担が軽くなるように見えます。
ですが実際は金利だけでなく、借入額や返済期間によっても返済負担は変わってきます。
以下はバンクイックで、借入れ50万円・250万円で、返済シュミレーションをした結果です。
<借入れ50万円>
適用金利14.6%、返済期間40か月、毎月の返済15,861円、返済総額634,440円
<借入れ250万円>
適用金利10.6%、返済期間150か月、毎月の返済30,141円、返済総額4,521,150円
借入れを50万から250万へ5倍に増やしたものの、適用金利は4%下がっています。
では返済総額が5倍未満になるかと思いきや、逆に7倍強に増えています。
返済期間が大幅に増えたため、その分だけ返済総額も増えたのです。
金利は低い方がありがたいですが、借入額や返済期間にも気を付けるべきです。
全国銀行協会も借り過ぎの注意を喚起
上の(やぼったい)動画は、全国銀行協会が銀行カードローン利用者に、借り過ぎをしないよう注意を促したテレビCMです。
<参考サイト>:カードローン 借りすぎに注意!!-全国銀行協会
実際、2017年に銀行カードローンの過剰融資(利用者からすると、過剰借入れ)が社会問題となりました。
一部の地方銀行では、年収と同じだけの額をカードローンで貸していました。
世間からの厳しい批判を受け、銀行カードローンの審査は以前に較べて、格段に厳しくなりました。
ですので、銀行カードローンで「借り過ぎる」のは、以前に較べて難しいでしょう(審査に通らないため)。
とはいえ、身の丈に合わない借入れをすると、後で返済に苦しむことになる点は同じです。
いくら低金利といっても、銀行カードローンの借入れは必要最低限の額に抑えましょう。
返済がキツイなら、おまとめローンも検討
借り過ぎで返済がキツくなったら、おまとめローン・借り換えローンを活用するのも一つの手です。
借入先が複数ある場合は、一本化することで適用金利を下げ、返済負担を軽くすることができます。
返済期間を延ばすと、却って利息が増えるため慎重に考える必要はありますが、返済が苦しい方は検討してみる価値はあります。
<関連記事>:【元銀行員が解説】おまとめローンでNGなこと・審査上の注意点
以上、低金利カードローンの選び方と、おすすめの低金利カードローンを紹介しました。
低金利カードローンでも、それぞれ特徴は異なります。
利用条件や利用方法なども比べて、自分に合ったカードローンを見つけてください。
おすすめの低金利カードローンはどれ?

この記事の執筆者: あいこ
元銀行員のアラサー女子。初心者のために、今日も分かりやすく解説します!プロフィールはコチラ